風が強く吹いている。少々肌寒いが、目的地はもう直ぐだ。少し我慢すればいいだけの事。 そう思っている内に――ほら、見えて来た。 それに、この程度で寒いだなどと言っていてはこの地方でやっていけない。雪が降っていないだけマシと言うもの。そう言えばあそこの神殿には行く用事もあるんだったっけ――と思い返していると、楽しみがじわじわと湧き上がり、自然口元が緩んだ。だが直ぐに一文字に結ぶ。 「リザードン、下降よ。一直線に!」 彼女の呼び声に、彼女を乗せて飛んでいるリザードンが空に吼えて応える。 そして同時に風が強くなった。見下ろした先の情景がみるみる内に大きくなっていく。そんな中で彼女はこの街にはデパートがあるのだったと思い出し、あとで買い物に行くのもいいな、などと暢気に思考を広げる。 あっと言う間に地面は迫っていた。けれど彼女はそれに怯み慌てるでもなく、逆に口の端を吊り上げる。 強風と共に地面に衝突せん勢いで――更なる風を巻き起こし、リザードンは急停止した。土色を、眼前に。 「はあ、スリル満点ねっ」 「な、な、何だ?」 何処からともなく――否、突如空から隕石の如く降って来たものに、元々地上にいた者達は揃って驚いた。 予期もせぬ来訪者である。 リザードンから降りた彼女は、ゴーグルを上にずらして素顔を晒した。序でに、満面の笑みも付け加えておく。 「久方、レイジ君! 育て屋繁盛してる?」 「……相変わらず、無茶するねえ」 「いつもやってる訳じゃないけどね。でも今日は特別サービス。お客さんがいるの見えたから」 リザードンの隣に立って話す彼女は、明朗快活に喋って笑う。 そんな彼女が一番に声を掛けたのは――エプロンを着た青年だった。彼は苦笑を浮かべて呆れを隠す。 彼女がリザードンで突撃した場所には、青年と少年とポケモンが数匹いた。周りには他にも沢山のポケモンがいたのだが、彼女のパフォーマンスに驚き逃げてしまった。 「レイジさん、この人は……?」 「わあ、ピカチュウだピカチュウだ! へえ、君電気袋ビリビリだね。結構熟練度の高い電気技なんて使えちゃうんじゃない?」 「……流石だね。君が見た通り、そのピカチュウはボルテッカーが使えるんだよ」 「それは珍しい。でも矢っ張り電気タイプはデンリュウだな、あたしは。シンオウだったらレントラーだけどねっ。ホウエンは――誰がいいかな、レイジ君」 現れていきなり名乗りも無くペラペラと饒舌に喋る。 少年――サトシは半ばたじたじである。否応も無く彼女に抱え上げられたピカチュウも、どうしようもなく為されるが儘である。 彼女が話を振ったレイジさえも、苦笑いを解けずにいる。 「いいね君のピカチュウ。レイジ君、あたしのポケモンも出していい?」 「それは、別に構わないけど」 「出ておいで、二人共!」 ズボンのベルトに嵌めていたモンスターボールを二つ外し、空に高く放り投げる。モンスターボールが彼女の手許に戻って来るより早く、ポケモンはモンスターボールから出て来た。 出て来たのは――ワニノコと、バタフリー。 「相変わらずその三匹は外してないんだね。ワニノコも相当なレベルだろうに」 「だってこの子見てると進化させたくなくなるんだもん。確かに、ワニノコには悪いだろうけど。リザードンだってバタフリーだって、進化させるか迷ったんだからっ。それくらいまだ覚えてるでしょ!」 「何をいきり立ってるんだい……」 「強くなる強くなるって、そりゃ進化させたら強くなるわよ? でもあたしは強さよりも求めたいものがあるの!」 「判ってるよそれはもう。君には何度か完敗されただろう? 君の強さは、実証されてるよ」 笑顔が引っ込んだかと思えば、今度は打って変わって膨れっ面である。彼女を怒らせたらしいレイジは、困りつつも慌てて彼女を宥める。 どうやら二人は旧知の関係であるらしい。 彼女がモンスターボールから出したポケモン達は、話の中心だと言うのに特に興味も無いようで、初めて見る人間であるサトシと、その足許で目を丸めているムクバードに興味津々である。 サトシはこの状況をどうする事も出来ず、彼女らの会話に割って入れも出来ずに立ち尽くしている。 そこへ、ワニノコがサトシに歩み寄り足許で立ち止まった。そして、真っ直ぐ彼を見上げる。きょとんとした目と視線が合う。 その儘何と無く、サトシはワニノコを抱えてみた。自分の目の高さまで持ってきて、じっと観察する。ぱちくりと瞬く二対の目が平行線を描く。 「ワニノコかあ。俺も連れてた事ありますよ。バタフリーも、リザードンも」 「えっ、そうなの? 君いいね、見込みがあるねっ」 「特にバタフリーとリザードンは思入れがあるなあ。キャタピーは俺が初めてゲットしたポケモンで、初めて別れたポケモンでもあって……リザードンはリザードンで、ヒトカゲの時は言う事を聞いてくれたのに、進化した途端言う事聞かなくなっちゃって。リザードンに進化してもそれは直らなくて――でも、ある事が切っ掛けで言う事を聞いてくれるようになって。やっと、俺の気持ちが伝わったんだって、その時思いました」 懐かしい思い出。それをゆっくりと反芻する。 あの時は嬉しくて嬉しくてしょうがなくて、嬉しさと喜びと――偶に辛さがあって、そして別れの哀しさと寂しさを知った。 これが彼らの為なんだ――彼らが望んでいる事なんだと思うと、ポケモンも自分達と同じなのだと気付いた。自分はポケモントレーナーであるけれど、それには何らポケモンを縛る力なんて無い。 ポケモンにも、ポケモンの生きる道がある。 「いい子だねえ。君の弟とは正反対って処かな、レイジ君」 「うん、そうだね。しかも上手い具合に、彼はシンジのライバルみたいだよ」 「へぇ、そうなの! それはいいね。だからレイジ君は彼のムクバードにとっておきの技を仕込んでやろう、って腹な訳だ」 「抜け目無いなあ。その通りだよ」 笑顔を取り戻した彼女はサトシのムクバードの前へ歩み寄りしゃがむと、ムクバードを撫でてやった。気持ち良さそうにムクバードは目を細める。その反応に彼女は一人、うんうんと頷いている。 その儘、ずっと抱えていたピカチュウも下ろし、立ち上がってサトシからワニノコを受け取る。 ワニノコはサトシに抱えられた時よりも嬉しそうに、彼女の腕の中ではしゃいだ。 彼女の傍らでバタフリーが宙で佇み、彼女の後ろにはリザードンがいる。彼女から、決して離れないように。 「今は矢っ張りシンジ君の方が強くて先を進んでるんだろうね。何せレイジ君の弟だし。性格は似ても似つかないけど。でも、うん、ライバルってそんなもんだよ。先人切ってくれなきゃ目標に出来ないしならないし。で、主人公はあとでどっかーんとライバルを打ち破ってやるの。いいね、うん」 「君と俺は伯仲だと思うけどなあ」 「判ってないねレイジ君は。伯仲が一番ベストで丁度いいんだから」 「それもそうだね」 二人はライバル同士でもあるらしい。 レイジとは、三体のポケモンで二勝した方が勝ちと言うルールの下バトルしたサトシだったが、ライバルであるシンジも強い分、シンジの兄であるレイジも相当強かった。 そんな彼とライバルだなんて――彼女もさぞかし、強いのだろう。 「それで一つ訊きたいんだけど、いいかな」 「何よ改まっちゃって今更。他人行儀ね」 「いや、別にそんなつもりはないんだけど――矢っ張り君を見てたら、気になってね。ちょっと失礼」 「きゃ――っ、わ!」 ひょいと、軽く。 彼女がピカチュウを両手で抱えたように、サトシがワニノコを両手で抱えたように――レイジは彼女の両脇を両手で掴んで、彼女を持ち上げた。 前ふりがあったとは言え予測は出来ず、不意を突かれた彼女は驚きが終わらぬ内に地上へ戻された。口が閉まらない。 「ち、ちょっと何するの! 幾ら旧知だってもねえ、いきなり何なのよもうっ」 「俺と別れてからもちゃんと食べてるかなって気になってね。でも大分あの時より重た――」 「デ、リ、カ、シーが無いわよレイジ君! 仮にもあたしだって女の子なんだからっ。女の子の体重を感覚で量る……寧ろ気にするなんて失礼だわ!」 「いや――君が女の子だって言うのは、ちゃんと判ってるよ」 つんつんつん、と人差し指でレイジを差して一歩二歩三歩迫る。彼女の気迫に流石のレイジも後退りを余儀なくされ、科白も遮られた。 しかし思ってみれば確かに、幾ら旧知と言えど不躾な話をしてしまった。 二人でいたのならまだ許容の範囲であっただろうが、この場には初対面のサトシもいる。少々活発過ぎて女性とは思い難い彼女でも、気にせずにはいられなかったらしい。 そう言えば彼女は女の子だったのだと、再確認。 「でもさ、俺が世話するまでちゃんと食事取ってなかった君も悪いと思うんだけど」 「レイジ君が世話好きのお人好しなだけ! って言うかね、君のお陰で大変なんだからあたし! 君がちゃんと食事を、なんて旅しながら耳たこなくらい言ってたもんだから、君と別れたあと、リザードンとワニノコとバタフリーの三匹があたしの食事管理するようになっちゃったのよ? 川でワニノコが魚を集めてきて、集まった魚をバタフリーが眠り粉で眠らせて捕獲して、それをリザードンが焼くの。特にホウエンで捕まえたラルトス――進化してサーナイトになった途端、献立まで考え始めちゃったんだから! どうしてくれるのっ」 「うーん、それは正に、俺のお陰だねぇ」 「いい事じゃないですか。そもそも、どう言う始まりだったんですか?」 二人はライバル同士であると同時に、一緒に旅をしていた仲らしい。成る程、育て屋をやっているレイジならば食事も得意であるのは頷ける。サトシで言う処のタケシである。 だがそれにしても、ポケモンにまで気に掛けられる彼女の食事とは―― 一体どんな話なのか。 未だ名前さえ聞き出せていないが、もうこの際気になる事から訊いて行こう。 「彼女と知り合ったのは、俺がシンオウを一通り制覇したあと――カントーに来たばかりの時でね」 「あたしは丁度その時旅立ったばかりだったの。オーキド博士からヒトカゲを貰って。レイジ君とは、会って早々にバトル! って言う展開になったんだけど、月日の差はそんなに無いとは言え相手の方が経験は豊富。だってバッジ八個取ってるんだもんね。ひよっこのあたしはボロ負けしたって言うのが初めての出会い。忘れもしないわ」 オーキド博士と聞いてドキリとしたが、こんな処で割って入るのは話の腰を折ってしまうだけなので、口は噤んでおいた。 彼女も同じカントー出身なのだ、と言う気持ちだけにしておく。 けれどサトシの故郷マサラタウンで彼女を見た事は無いから、出身の街は異なるのだろうと思う。 「それでまあ、カントーのジムを巡る訳だから、行く先々で会う訳。その度にバトル吹っ掛けてたわね、あたしが」 「喧嘩っ早いんだよ、君は」 「戦わなきゃ経験値は稼げないわ」 「それで――ある時偶然、彼女と一緒に野宿する事になってね。彼女は敵意剥き出しの中食事してて――そこでふと、彼女の食べてる物が気になったんだ。そこら辺、彼女の言う世話好きなんだろうけど。その時彼女は――味気も無い携帯食を食べてたんだ」 携帯食と言うと――干した肉や乾パンなどの事であり、長期保存の利く、旅には欠かせない物。 けれど旅の道中では殆どタケシが上手く調理してくれた物などを食べているので、サトシには余り縁の無い食べ物だ。 幸せにも、そんなに食べ物に困った事もない。 それに――。 「長旅とは言っても、町と町との間なんてそんなに離れてない。いや、町との距離はあっても、ポケモンセンターは随所にある。普通は、町で買った肉や野菜なんかもニ三日は持つから、それを調理して食べる。俺もちゃんと調理して食べてたんだ。だからって言うのもあるけど――彼女の食事には驚いたね。町を出発して一日くらいしか経ってなかったのに、携帯食なんて食べてさ。食料が無いのかって訊いたら、いつもこれだからなんて言う。通りで小さい筈だよ」 「小さいは余計よ小さいは! 何よ携帯食の何処が悪いのよ。持ち運びが楽なんだからっ」 「自分の躯を考えて旅しなきゃって事だよ。携帯食じゃ、栄養が足りないんだから」 「世話焼き」 跳ねッ返る彼女にレイジは相変わらずの苦笑いだ。 ふと思ってみれば、彼女のポケモン達も困り顔を浮かべている。彼らも彼女の食事に対する無関心さにはほとほと呆れているのだろう。レイジが彼女の体重を、そして食事を気にしたのにも頷ける。 幾ら携帯食は軽く持ち運びが便利だとは言え、それだけで長旅をするのは危険だ。直ぐに体力が無くなって倒れてしまう。 果たして彼女は、それを判っているのか。 「何はともあれ、ちゃんと食事を取っているようで安心したよ」 「あのねえ何度も言ってる事だけど、あたしだって子供じゃないの。殆ど君と同い年なんだからねっ」 「そう言われても、矢っ張りまだ君には不安があるよ」 「いつからレイジ君はあたしのお母さんになったのよもう!」 「いや……母親とかじゃ、なくて」 うーん、とレイジは困り顔を先程からずっと崩せずにいる。 彼女とは苦楽を共にした旅仲間であったが、いつになっても彼女の機嫌を回復させるのは難しい。 まあ別に――こうして怒ったり膨れっ面を作ったりする彼女も可愛いと思うので、そこまでして彼女の機嫌を取ろうとは思わないのだが。 寧ろコロコロと表情が変わってこその彼女だ。機嫌など、その内勝手に直ってしまう。 「それで君は結局――遠路遥々シンオウまで何しに来たんだい? 聞いた話じゃ、ホウエンにレジ系三体を捕りに行ってただとか――」 「うん、一週間前までホウエンにいたね。謎解明してゲット! って思ってたんだけど、いざ遺跡に辿り着いたら蛻の殻。しかも結構新しい戦闘の跡があってね、運悪く先に誰かに捕られちゃってたの! 誰だーって捜してたらリラから連絡があって、レジならジンダイが捕まえたよって。もーあたしの苦労はどうしてくれんのよッて気持ちで会いに行ったわ。ボスゴドラとサーナイトとボーマンダでフルボッコにしてやったわ。ふん!」 「あのジンダイさんを?」 「あら君も知ってるの? まあフルボッコって言っても、あたしの方も無傷じゃ済まなかったけどね」 口は軽いと言うかお喋りで、直情型でバトルに策略は無い――とでも言いそうなタイプだが、意外にもバトルセンスは高いようだ。 サトシが苦戦したジンダイを、無傷では済まなかったとは言え倒してしまうなど、そう易々と出来るものではない。 益々彼女が謎のベールに包まれていく。 未だ彼女の名前を知らぬが――そんな事など無関係に、彼女と勝負してみたくなってきた。いやそれよりも――彼女とレイジのバトルを、見てみたい。 「それで続きは?」 「ああうん、えっとね――あたしが勝ったからレジ三体貸しなさいって言って借りて来て、カントー戻って来た矢先に、知り合いのジムリーダーから、シンオウのトバリのジムリーダーが新しく決まったって聞いたの!」 「確かに新しく決まったけど……半年も前だよ?」 「だからレジの遺跡解明でカントー離れてたんだってば。あたしとあろう者が出遅れちゃった。それで急いで飛んできたの。あ、遺跡とジムリーダーって言えばね、ホウエンで面白い人にあったよ。クロガネのジムリーダーのヒョウタ君みたいに石が大好きな人でね、メタグロスとボスゴドラ持ってたよ。ボスゴドラの魅力について意気投合しちゃった。それでね、何かね、チャンピオンやってるらしいんだけど、石の採掘する暇が無いからやめたいって言ってた」 知らぬ人物の話にサトシとレイジは揃って首を傾げる。 楽しそうに笑って話している様子からして彼女の言う通り面白い人なのだろうが――如何せん、並べられた紹介が些か非現実染みている。 チャンピオンと言えば、ワタルやシロナと言った、ポケモンリーグでトップの座にいる人物。 サトシはその両者に会った事があるから、チャンピオンに会うと言うだけで非現実と思わないものの、親しく会話したり、況してや愚痴まで聞く程に話した事は無い。 チャンピオンは孤高で、そう易々と手が届く存在では――ない。 どうにも彼女の話す人物からは、ワタルやシロナらのような威厳が感じられない気がするのだ。 だから何処かちぐはぐに思えて、非現実に聞こえる。 「――って、ああそうだっ。こんな長話してる場合じゃないんだって! 新しいジムリーダーに会いに来たんだからっ。どんな子なの? レイジ君」 はっとして、またもや忘れ掛けた用件を思い出す。 次から次へと移り変わっていくのが早い分、つい先程の事を直ぐ忘れてしまいそうになる。それが彼女の悪い癖である。 そんなだから――結果、彼女のモットーは思い立ったが吉日、善は急げと言うものになった。 用件は忘れぬ内に済ませてしまおう、と言う腹である。 「名前はスモモ。礼儀正しいいい子だよ。ルカリオが相棒でね、格闘家としても有名だ。けど今は――訳あってジム戦を休んでる」 「訳あって、ねえ。そうやって暈す処を見ると、原因はシンジ君辺りかな。まあ、別に休業中でもいいんだけどね。ジム戦しに来たんじゃないし、ジムバッチ持ってるし」 彼女の名推理には閉口する。レイジもほんと鋭いなあ、と笑っている。 彼女が察した通り、トバリジムのジムリーダースモモが休戦状態であるのは、最近トバリジムを制覇したシンジが原因である。 シンジの言葉はいつだって容赦なく――心に、冷たく突き刺さる。 本人もそれを判っていて言っているから質が悪い。レイジは減らず口と言ったが、そんな生半可なものではない。 「じゃあそろそろ行って来るね! レイジ君もそこの少年も、またあとで話でもしようじゃない。リザードン、ワニノコ、他のポケモン達と仲良くしててね。レイジ君、二匹を少しの間任せたわ! 行きましょう、バタフリー」 てきぱきと言っていくと、彼女はリザードンとワニノコを置きバタフリーを引き連れて、さっさと去って行ってしまった。その様子は正に目にも止まらぬものであった。 呆気に取られている内に、彼女の姿は見えなくなった。 「何て言うか……嵐みたいな人……ですね」 「変わってないなあ、本当」 彼女を見ていると自然、旅の思い出が脳裏を過ぎる。別れてそれ程月日が過ぎたとは思わぬのだが、幾ら日が過ぎようとも――変わらない。 どんな事があっても、彼女は変わらない。 大人のような落ち着きが一向に見えなくても、彼女だとそれでもいいように思えてしまっていけない。 「それで結局――誰だったんですか? あの人」 「ああ、そう言えば名乗らずに行っちゃったんだね」 色々と忘れっぽい、彼女だから。 落ち着きがなくて子供っぽくて礼儀知らずと言うか世間知らずと言うか。だがそれも、見方を変えれば彼女の特色である。 それでも矢張り不安や心配は拭えなくて、弟であるシンジ以上に――気になって、いけない。彼女に一人旅をさせるなど、未だ受け入れ難くて困る。 彼女に言われた通り、世話焼きの過保護なのだろうか――そうレイジに対し思うのなら彼女ももう少し、しっかりしてくれてもいいものを。 せめて、こうして誰か第三者が、彼女の知らぬ処で彼女に代わって名を教える事が無くなってくれればと――望みながら、思いながら。 「うん、彼女の名前はね――」 そっと、風に囁く。 . ( 後書き ) ちょっと長かった……!(ちょっと?) それもこれも夢主が喋って話逸らすからですね。 でもこう言うお喋りな子の方が書き易い。 さてさて、とうとうやってしまったアニポケ夢。だってレイジさんが! トバリ編はもう終わってしまいましたが、書いたのでアプです。 トバリ編がリアルタイムでやっていた時日記で散々叫んでました、レイジさんについて(笑) 一瞬で、惚れた。 入れたい設定入れまくりました。ポケのメンバーも一際大好きなのを選びました。 残りの三体は育成中、若しくはその地方に合ったポケモンって言う設定。 シンオウだとガバイトとトゲキッスかな。残り一匹は第二話でお披露目。 ガバイトがカブリアスに進化していないのは私の好み。ガバイトのあの細い首が好きなので。抱きつきたい。 トゲキッスは好きでも嫌いでもなかったりするんですけど、相性とか強さとか考えて(苦笑) 全体的に見ると氷タイプに弱いんじゃないかな(笑) 対電気もガバイトしかいない。 |